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女1人で息子の美緒を育てた母親の尚美は再婚をする、今日は喫茶店で母親と共に再婚相手に会うことになっている。
美緒と母親は隣同士で椅子に座って再婚相手が来るのを待った。
『遅いね…』
『男子校の先生っていうから生徒と何かあったのかしら…息子さんも先生だって凄いよね…』
『連絡してみたら?』
『そうね』
尚美が鞄の中から携帯を取りだしかけようとしたその時、スーツ姿の男と眼鏡をかけたラフな服装の男が現れた。
『尚美さん、遅れてすみません』
『良いのよ太一さん』
尚美は携帯を鞄の中に入れた。
太一と男は向かい合って座った。
『君がいつも尚美さんが自慢している息子の美緒君か…尚美さんが自慢をするのがわかるよ』
太一は美しい美緒に惹かれた、その息子も美緒に惹かれた。
その後、4人は喫茶店で楽しい食事をし別れた。
歩きながら尚美は『どう?結婚しても良い?』と美緒に言った。
『いい人じゃないか、俺は反対する気はないよ』
『ありがとう』
『やめろよ、恥ずかしいだろ』
美緒は立ち止まって人に見られながら尚美に抱き締められ頬を赤らめた。
それから1週間後、母の尚美と藤島太一は、美緒と嵐に祝福されながら結婚式を挙げた。
そして4人の生活が始まった。
ー4人が暮らす、1軒家、朝7時ー
2Fの自分の部屋のベットでまだ美緒は寝ていた。
『……』
『美緒君、早く起きないと学校に遅刻するよ』
ドア越しで嵐の声がすると、美緒は目を覚まし背伸びをするとベットからおりパジャマを脱ぎクローゼットから制服をだし着替え始めた。
そして美緒は鞄を持って部屋を出て階段を下りるとダイニングルームに行った、ダイニングルームでは父親の太一と兄の嵐が向かい合って食事をしていた。
『おはよう美緒君』
食事をしながら父親の太一が声をかけた。
『おはようございます、母さんは?』
『仕事に行ったよ、ちゃんと美緒君のご飯も用意してあるよ』
父親の太一は椅子から立ち上がり食べ終えた食器を片付け美緒の食事を用意し始めた。
『すみません忙しいのに』
美緒は鞄を床に置き兄の嵐の隣の椅子に座った、父親の太一は茶碗に盛られたご飯と皿に盛られた目玉焼きとサラダを運び美緒の前に置いた。
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