義理の父と兄

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ー法律事務所ー 社長室にいる光博は机で椅子に座って資料を見ていた。 そこへ静華が入ってきた。 光博は静華に目を向け『どうしたんだ、相談者でも来たか』と言った。 『8時だけど美緒君まだ来てないんだけど、美緒君、知ってるよね8時から仕事だってことを』 静華は怒りぎみで光博に言った。 『事務所のドアに時間が載ってるんだ、美緒だってわかるだろう』 『美緒君が来たら、遅れないように言ってよ…俺は今から相談者と待ち合わせで行かなきゃいけないから』 『わかった…』 光博は怒りぎみの静華の唇にキスをした。 少し機嫌がよくなった静華は笑顔で光博に『行ってきます』と言い静華は出掛けていった。 光博は社長室を出て受付場所に行くと椅子に座り美緒が出勤するのを待った。 それからしばらくしてドアが開き美緒が入ってきた。 『話がある社長室に来い』 光博は椅子から立ち上がり社長室に行った。 何だろうと思いながら美緒は社長室に行き中に入るとドアを閉めた。 『話って何?』 『仕事時間は何時からかわかるよな』 『8時からですよね』 『わかってるならいいけど、静華が遅いって怒ったんだ…助手だからとはいえ遅刻だけはするな』 『はい、ごめんなさい…静華さんは?』 『相談者と会うって言って出掛けていった…話はそれだけだ』 『はい』 落ち込みながら美緒は社長室を出て行き受付場所の無言のまま椅子に座った。 それからしばらくして事務所に女性の相談者が1人やって来た。 『すみません』 『はい』 美緒は女性に近づいた。 『浜崎先生はいますか?、10時に相談の予約をした宮崎ですけど』 『お待ちください』 美緒は社長室に行き光博に確認した。 『10時に予約をした宮崎さんが来てるんですけど』 『宮崎さん…』 光博は資料を見た。 『すぐに行くから応接室で待ってもらって』 『わかりました』 社長室を出た美緒は女性を応接室に連れていった。 『すぐに先生が来ますからお待ちください』 女性に頭を下げると美緒は応接室を出て行った。 その時、出掛けていた静華が戻ってきた。 美緒は静華に近づき遅刻したことに謝った。 静華は美緒の肩に触れながら『明日から遅刻しないでください』と言った。
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