義理の父と兄

38/42
前へ
/42ページ
次へ
『例え父親でも怒るからね』 『ごめんって…』 『まぁ、俺も悪かったけどな携帯の着信をオフにしなかったから』 仕事中で携帯の着信をオフにしなかったことに美緒は反省した。 美緒は携帯を開き着信をオフにした。 その後、美緒の携帯に光の着信で電話がかかってきた。 『太一さんからだ…』 美緒は電話にかかりながら社長室を出てトイレに行った。 その様子を見ていた静華は社長室に行った。 『買ってきたよ、弁当と飲み物』 静華は袋から弁当と飲み物を出し机の上に置いた。 『ありがとう…美味しそうだな焼き肉弁当』 弁当の蓋を開けると光博は割り箸を掴み弁当を食べ始めた。 『美味しい?』 『美味しいよ、静華も食べるか』 光博は割り箸で肉ご飯を一口静華に食べさせた。 『美味しい』 静華は光博の顔を見つめた。 『……』 静華に見つめられている気配を感じながら光博は肉ご飯を食べ続けた。 『ああ…美味しかった』 肉ご飯を食べ終えた光博はお茶を飲んだ。 そして光博は椅子から立ち上がり静華に近づくと静華の唇にキスをした。 その頃、トイレの美緒は太一と携帯で話していた。 『仕事、頑張ってるか』 『遅刻して怒られたけど、仕事はちゃんとやってる』 美緒は洗面台の前で話ながら鏡を見つめ自分の髪の毛を触った。 『何時ごろ仕事が終わるんだ』 『5時じゃないかな』 『美緒に触れたいよ』 『俺も太一さんに触れたいです』 欲情してしまった美緒は携帯を耳に当てたまま自分の大事な部分を触り喘ぎ声を出した。 『……』 携帯を耳に当てたまま太一は感じている美緒の喘ぎ声を黙って聞いた。 洗面台の前で自分の大事な部分を触りながら喘ぎ声を出している美緒の前に静華と光博が現れた。 驚いた美緒は携帯を落としズボンをはきチャックを閉めるとトイレから出て行った。 静華は落ちた携帯を拾い耳に当て太一の声を聞くと光博に差し出した。 光博は携帯を受け取り耳に当て太一の声を聞くと『あ…』と声を出し光博は手で口を塞ぎ黙った。 『誰か側にいるのか』 『……美緒の父親です…』 黙っていた光博は太一の問いに答えた。 電話の相手が美緒ではなく父親の光博に変わっている事に太一は驚いた。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加