義理の父と兄

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『本当なら美緒君の誕生日に言うつもりだったんですが、買ってしまったから』 太一はズボンのポケットから小さな箱を取りだし蓋を開け指輪を2個、掴むと箱をポケットに入れた。 美緒と光博と尚美は驚いた。 『2人に俺と美緒君が夫婦になることを認めてもらいたいんです…お願いします』 太一は指輪を握ったまま光博と尚美に土下座をした。 『太一さん…』 突然の太一の行動に美緒は驚いた。 同じく光博と尚美も驚いた。 『太一さん、土下座はやめてください』 光博は太一の体を支えながら立たせた。 そして光博は尚美と顔を合わせ頷くと光博が口を開いた。 『俺は美緒が幸せになってくれればそれでいいんです、俺は反対しません』 『騙された結婚に最初はムカついてたけど、今は美緒と太一さんの付き合いに反対してないわよ、私たちの前で指輪の交換をして夫婦になったら』 『ありがとうございます、光博さん、尚美さん』 反対されると思っていた太一は光博と尚美の言葉に嬉し涙を流した。 『太一さん…』 美緒は優しく微笑みながら左手を太一の前に差し出した。 太一は手で涙を拭い美緒の左を掴むと『愛してる』と言って美緒の薬指に指輪をはめた。 『俺も愛してます』 美緒も太一の左手の薬指に指輪をはめた。 『おめでとう』 『おめでとう、美緒、太一さん』 尚美と光博はにこやかな笑顔で拍手をしながら美緒と太一を祝福した。 『ありがとうございます』 美緒と太一は手を繋いだまま光博と尚美にお礼を言うと、美緒と太一は顔を見つめあい抱き合うと口づけを交わした。
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