義理の父と兄

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太一は指輪を握りしめながら『満足か…お前はこういう別れを望んでたんだろ…愛のある別れではなく、憎しみのある別れを』と言い嵐を見た。 『ああ…満足だ、あんたに愛のある別れなんてさせない』 嵐は校長室を出ていった。 嬉しそうに廊下を歩く嵐の後ろを姿を見た相沢遊は『藤島先生』と背後から声をかけた、嵐は足を止め振り返った。 『相沢…今は授業中だろ、教室に…』 『校長室であなたたちが話しているのを聞いちゃったんですよね…丸山美緒をあなたが乱暴したって…』 『何が言いたいんだ』 『あなたたち親子が夢中になっている女神を俺にも抱かせてほしいんです』 『お前は父さんと付き合ってるんじゃないのか』 『別に付き合ってないさ、俺は美しい人を抱きながらその人が乱れる姿を見るのが好きなんだ』 『断る…美緒は俺のものだ』 嵐は相沢遊に背を向け歩いていった、相沢遊は嵐の後ろ姿を見つめながら『丸山美緒は俺が貰うよ』と小さな声で言った。 その頃、美緒は制服のままベットの上で実の父親の連絡先を登録している携帯を見つめた、そして美緒は実の父親に電話をかけた。 3回のコールで父親が出ると美緒は涙を流しながら『お父さん…会いたい…お父さん…』と言った、父親は突然の美緒からの電話に驚いた。 『もしかして泣いてるのか?…美緒…』 『会いたいお父さん、駄目かな?』 『わかった、だけどまだ仕事してるんだ会社の場所わかるよな』 『わかる、今から行く』 父親に告げると美緒は携帯を切り、制服を脱ぎ捨てると私服に着替え部屋を出た、そして階段を急いでおり家を出ていった。 ー美緒の父親の会社、浜崎法律事務所ー 『今から人と会わないと行けないから、美緒が来たら部屋で待たせといてくれないか』 『わかりました』 『すぐ戻るから』 父親は秘書にあとを任せ出掛けていった、秘書は自分の席に戻り仕事をし始めた。 それからしばらくしてドアが開き美緒が入ってきた、秘書は席を立ち美緒に近づいた。 『あの…』 『美緒さんですね』 『はい』 『先生は今出掛けています、部屋でお待ちになってください、どうぞ』 秘書は美緒を部屋に連れていきソファーに座らせた。 『……』 美緒は黙ったままうつ向いた、それを見て秘書は美緒の隣に座り肩に触れた、美緒はビクッとなり顔を上げ秘書を見た。 『あの…やめてください…』 『怯えて可愛いね』 秘書は美緒を抱き寄せ唇を重ねた。
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