2.3.学校

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 楽器からは音が出てくる、おじさんからそれだけは聞いている。  居住区の中では大きな音を出すことは禁物だ、おじさんはそうも言っていた。  どうして居住区では音が、音楽が禁じられているのか、その理由は聞いていない。  少年は何度かその楽器の白い四角やボタンを押してみた。音は出ない。これが本当に楽器なのか、少年には確信は無かった。けれど、楽器庫にはこれとほとんど同じものが置いてある。多分、楽器だ。  いつか、音を出してみたい。  でも、今日は無理だ。もう配給所に行かないと。  少年は長居をしてしまったことを後悔していた。  本を閉じ、棚に戻す。  また、来よう。  少年は鞄をつかみ、部屋を出た。
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