17人が本棚に入れています
本棚に追加
「モブ夫さん!!」
「ん??なんでしょう。」
延々と続く廊下。壁では楽しそうに鳥が囀る様子が描かれている。そしてモブ夫と鈴李が通ると飛び立ったりこちらを見たり。まるでそこで生きているように動いている。
「これ、何かの罠なんじゃ。」
「まぁ、そうでしょうねぇ。そもそもこんな怪異があるにも関わらず、自ら足を踏み入れた時点で既に罠に自分ではまったようなもんですから。」
「何かあったら…」
「その時は頑張ってくださいよぉ。俺っち、妖怪ですけど人間とさほど変わらないんで」
と、モブ夫はこれまたニコーっと会話に合わない笑みを浮かべ、その笑みを見た鈴李は、はぁとため息を漏らすのだった。
「それにしても長い廊下ですね。」
「そうですねぇ。先が見えやしない」
「これ先があるんでしょうか。」
「さぁねぇ」
と二人が歩くのにも飽きだした頃。
「あれ??」
鈴李は自分の見えている先が今までの様子と違う事に気がついた。
最初のコメントを投稿しよう!