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モブ夫が壁に短剣を刺したところから鳥の足についていた赤いそれは切れ、ひらりと落ちる。そして鳥は役目を終えたと言わんばかりに天井へ飛び立った。
床と壁の境まで落ちたかと思うと、行き止まりの壁に達筆で文字がつらつらと浮かぶ。
《冷麦とそうめんの材料は違うものである》
「冷麦とそうめんの材料は違うものである??」
「なぞかけですかねぇ。というよりも雑学問題??」
二人は顔を見合わせる。
「冷麦とそうめんの違いって麺の太さですよね。」
「えぇ。材料は同じだと。」
二人の職業柄(モブ夫の場合はただの知識だが。)さも当たり前のように答える。
「ということは…バツが正解。だけどこれ、正解が分かった所でどうしたら…」
と鈴李が言うや否や、片面の壁一面の木々に、先ほどまでの楽しそうに飛んでいた鳥の入った鳥籠が沢山連なって並んでいる。
そして先程まで問題の書かれていた壁に続けて文字が浮かびあがった。
《鳥は宴、違わば無し。答はその方へ。先へ進むは蝶が誘わん。導く蝶に着きし先には鳥は歌うか、無き宴を終えれば皆去ぬ。》
「なんでしょうかねぇ。」
「もしかしてこの壁の事をいってるんじゃ…」
「宴、終わってますがねぇ…」
鳥籠に入った壁と何もない壁を見比べ、しばらく首をひねる二人。
「違わば無し…違わば無し…??ない方が間違い…??ということは、鳥が正解??じゃあもしかしてこれ、うたげって読むんじゃなくて………えん…円。まる??つまり鳥は〇、ない方が×。その所にいる蝶が導く!!」
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