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放課後。
僕は教室でひとり、読書に勤しんでいる。
静まり返った廊下から、何やらバタバタと足音が響いてきた。
教室のドアが勢いよく開かれた。
「先輩っ!!」
僕を先輩と呼ぶ人物、何故か僕になついている、後輩の、よっちゃん。女の子だ。
よっちゃんは、急いで僕の側まで駆け寄るなり、ばかでかい声をあげる。
「先輩っ!!やべーモン拾っちまったっす!!」
「マジ危険度Sランクっす!!」
なんだかよく分からないが、まずは、うるさい。
少しは、自分の声量と言うものを自覚してもらいたい。
一体、何を拾ったというのか?
「マジやべーっす!はいっこれ!ジャンっ!」
やべーやべー言うやつを、いきなり目の前に出さないでくれないか。
そして、何故考えも無しに拾って来るのか?
「何それ?」
問い掛ける僕の顔の前には、辞典並みの厚みを持った本が。
「禁断の書っす!!」
えっ?禁断の?
「何それ?」
「知らないんですか!?」
知らないから聞いている。
「もう伝説っすよ!マジやべーんすっ!ホント危険なんすからっ!」
「開くと大変な事になるらしいっす!」
「それが、これっ!禁断の書っす!」
どこを見て、禁断の書と判断したんだか。確かにド派手な装飾は施して在るが。
で、その禁断の書を拾って持ってきて、この子は何がしたいのか?
よっちゃんが疑問に解答する。
「先輩、、、私、今頃になってブルッてるっす、なんてモノ拾って来たのかと、、、」
君の危機感のスイッチは、死んでるのかと思っていたよ。
「だから、今からこれ、、捨ててきますっ!!」
「、、、何それ?」
終
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