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リバーシ、それは八×八の升目で構成された盤面を使い、石は両面が白と黒になっており、黒のプレイヤーは黒い面で、白のプレイヤーは白い面で石を打つ、という誰もが知っているシンプルなルールのボードゲームである、石を裏っ返せばどちらにでも染まる、それはこの世界でも同じ事であった。
黒から白へ、白から黒へ、世界は目まぐるしい変化を何度も何度も行い、まさにリバーシのように変化を遂げてきた。
そしてついにその終着点とも思われる二つの世界が誕生したのである。
何の変哲もない日常を送る白い世界、または表の世界と呼び。
殺人、強盗、様々な犯罪が蔓延り、それらが未来永劫に、永遠に続いてゆく黒い世界、または裏の世界と呼ぶ。
これが世界の終着点、表があれば裏もあるということ。世界は理を破る事が出来ない、生まれながらにして定められた理、故にこのような形へと昇華していったのだ。
そんな世界で、物語は始まる。
全ての負が集まったかのようなこの裏の世界に身を沈めてゆく、青年の物語が始まる。
―――――
「……」
その頃の俺はまだ知らない。
その頃の俺はまだ平凡に暮らしていた。
全く違う生活を送ってすむ世界が違う人間と同じ運命を歩むことになるなんて最初は思ってもいなかったし、実感もわかなかった。
それほどに世界は広くて変化し続けていて俺の知っているソレとは違っていた、何もかも面白いくらいに。
生き方も、常識も、平和な世界で暮らしてきた俺とは全てが違う、俺は十数年生きてきてこの世界の本当の姿を知る事になる、それが遅いのか早いのかは解らない。
決して世界は狭い!だなんて思ったこともない。だけど、それでも、十数年間しか生きてない俺に世界は広いと再確認させたんだ。
その頃の俺はまだ何も知らない。
その頃の俺はまだ何も得ていない。
その頃の俺はまだ何も覚えていない。
その頃の俺はこんな事になるなんて、思いもしなかっただろう。
ReVeRsE――。
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