リベンジャー 倉田菜々子

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「親父の車なんだけど、ちょうど保険がきれていたんだ。 親父が事故った相手は、若いんだけど高い車に乗っていてさ、かなりの額を請求されるよ……」 真人の話を聞いて、私の心臓がドキドキと大きな音を立てて、動き出した。 幸せになるはずの私たちに舞い込んできた不運に、私は動揺して、声が震えた。 「お金って、いくらくらいかかりそうなの?」 「おそらく、五百万円くらい……」 〈 五百万円…… 〉 私は自分には手の届かないその額に、全身の血の気が引いた。 〈 私たちはこれから、どうなってしまうのかしら? 〉 私は、急に私を襲ってきた不安に、言葉を失い、下を向いた。
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