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私が食事をとらなくなってから五日目、私はハッキリとしない意識の中で、夢を見ていた。
それは真人がこのアパートのドアを開けて帰ってくる幸せな夢だった。
私に向けて優しい笑顔を向ける真人。
ああ、私は真人に裏切られていなかった。
やっぱり真人は、私を愛してくれていた。
私たちはもう一度、幸せに暮らせるのね。
私と真人と生まれてくる赤ちゃんと一緒に……。
良かった……。
もう私は、一人じゃない……。
もう私だけが悲しい思いをしなくてもいいのね。
真人くん、私に何か楽しい話を聞かせて……。
今までの悲しみが、すべて消え去ってしまうくらいの楽しい話を……。
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