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私は目を覚ますと、病院のベッドの上にいた。
どうして自分が病院のベッドの中にいるかもわからずに、私がまわりを見渡すと、私のとなりには母がいた。
私は母と目が合うと、母に話しかけた。
「お母さん、私はどうしてこんなところにいるの?」
母は私のその言葉に、悲しげな顔をして、私に言った。
「菜々子は部屋の中で倒れていたのよ。
お医者さんが言うには、何日も食事をとっていなかったらしいわね。
菜々子、どうしてなの?
あなた、死んでしまうかもしれなかったのよ。
衰弱して……、そのまま意識をなくして……」
私は真人が帰ってきたのが、夢だと知った。
私を騙したあの男は、もう私の元に帰ってくることなどないのだ。
母は悲しそうな顔をして、話を続けた。
「あなたのお腹の中にいた赤ちゃん……、残念だけど、流れてしまったわ。
菜々子、あなたはどうしてそんな不摂生な生活をしてしまったの?
あなただって、死んでしまったかもしれないのよ。
ねぇ、菜々子……」
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