TGT 坂上真人

13/38

2418人が本棚に入れています
本棚に追加
/1316ページ
オレはやることもないので、スマホを手に取り、出会い系サイトのマイページを開いた。 いつの時代も変わらない一つの真実。 男は女を求め、女は男を求めている。 オレはその真実を突き詰め、女に甘い夢を見させることで生きてきた。 あいつらは、高い金を払ったかもしれないが、その高い金で甘い夢を見れたのだから、仕方がない。 地味で平凡な毎日の中で、パッと明るく恋の花が咲いたとき、あいつらはまるでドラマのヒロインのように、恋物語の主役になれたのだ。 それは全部、オレのおかげなのに……。 オレがいなければ、あいつらは、夢見るような恋など、決してできなかったはずなのに……。 オレがそんなことを考えているとき、ついにR-GPS法が適用される時間になった。 それと同時に、オレのスマホから着信音が流れ、オレと菜々子が連絡を取り合うのに使っていたSNSアプリの『チャット』に、菜々子からのメッセージが届いていることにオレは気づいた。 オレはそのことにドキリとして、少しの間を置いてから、菜々子からのメッセージを読み始めた。
/1316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2418人が本棚に入れています
本棚に追加