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オレはやることもないので、スマホを手に取り、出会い系サイトのマイページを開いた。
いつの時代も変わらない一つの真実。
男は女を求め、女は男を求めている。
オレはその真実を突き詰め、女に甘い夢を見させることで生きてきた。
あいつらは、高い金を払ったかもしれないが、その高い金で甘い夢を見れたのだから、仕方がない。
地味で平凡な毎日の中で、パッと明るく恋の花が咲いたとき、あいつらはまるでドラマのヒロインのように、恋物語の主役になれたのだ。
それは全部、オレのおかげなのに……。
オレがいなければ、あいつらは、夢見るような恋など、決してできなかったはずなのに……。
オレがそんなことを考えているとき、ついにR-GPS法が適用される時間になった。
それと同時に、オレのスマホから着信音が流れ、オレと菜々子が連絡を取り合うのに使っていたSNSアプリの『チャット』に、菜々子からのメッセージが届いていることにオレは気づいた。
オレはそのことにドキリとして、少しの間を置いてから、菜々子からのメッセージを読み始めた。
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