TGT 坂上真人

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雄一が振り下ろしたバットは、オレの頭を狙っていた。 〈 こいつ、本気か? 〉 オレはとっさに体をよじり、必死になって、バットをかわした。 雄一が振り下ろしたバットは、オレの髪をかすめ、そのままフローリングの床に突き刺さった。 オレはその様子を見つめながら、ガタガタと震える足で立ち上がった。 〈 こいつ、狂ってやがる。 あんなフルスイングのバットが当たったら、死んじまうだろ? 殺人は、なしじゃなかったのか? ヤバイよこいつ……。 逃げなきゃ……。 早く、逃げなきゃ…… 〉 オレは震える足で、必死に走り出した。 こんなヤツに関わっていたら、どんな目に合わされるかもわからない。 オレは雄一の脇をサッと走り抜け、急いでアパートを抜け出した。
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