TGT 坂上真人

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無情にもエンジンがかからないまま、雄一はオレの車にやってきた。 車の鍵はかかっていて、雄一はオレに危害を加えられない。 だけど、それにしても怖い。 相手はイカれている。 常識を逸している。 頼むから、エンジンよかかってくれ。 頼むから……、頼むから……。 雄一は運転席のドアを引き、ドアを開けようとしていた。 けれど、車のドアには鍵がかかっている。 怖い……、怖い……、怖い……、怖い……。 雄一はドアを壊すほどの勢いで、何度も何度も、ドアを引っ張った。 オレはその様子に、生きた心地もしないまま、何度も何度も車の鍵を回していた。
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