Episode1 断罪者

12/54
前へ
/698ページ
次へ
「……これはまた酷いもんだ」 「別にええやろ! パンは失敗したけどタマゴは安定の味やで」 呆れ果てたような視線を送るが鈴は全く動じない。 だが鈴の料理は見た目が不味そうでも、味は非常に良いという特徴があるのだ。 美味い物を食べさせてもらっているのは確かなので、黒斗も あまり文句を言わないでいる。 料理に手をつける黒斗と鈴。 しかし、テーブルについて向かい合っているというのに2人の間には会話が無い。 いつもなら もっと喋る筈の鈴が無言であることに不審を抱き、黒斗は思いきって口を開いた。 「……何かあったのか? 様子がおかしいぞ」 黒斗の言葉に鈴の肩が強張るが、間を置いて視線を合わせてきた。
/698ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1343人が本棚に入れています
本棚に追加