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「……これはまた酷いもんだ」
「別にええやろ! パンは失敗したけどタマゴは安定の味やで」
呆れ果てたような視線を送るが鈴は全く動じない。
だが鈴の料理は見た目が不味そうでも、味は非常に良いという特徴があるのだ。
美味い物を食べさせてもらっているのは確かなので、黒斗も あまり文句を言わないでいる。
料理に手をつける黒斗と鈴。
しかし、テーブルについて向かい合っているというのに2人の間には会話が無い。
いつもなら もっと喋る筈の鈴が無言であることに不審を抱き、黒斗は思いきって口を開いた。
「……何かあったのか? 様子がおかしいぞ」
黒斗の言葉に鈴の肩が強張るが、間を置いて視線を合わせてきた。
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