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「がっ……」
衝撃で一瞬 息が詰まり、少年は目眩に襲われる。
二重三重になって見えるボヤけた視界の中、彼は襲ってきた者の正体を確かめるべく、必死に目を凝らして目の前に居る“誰か”を見やる。
だが、その“誰か”の姿を見た刹那、少年の目が信じられないとばかりに大きく見開かれた。
「……な、なんだよ……おまえ…………」
震えて裏返った声を発する少年。
そして そんな彼の首を掴んでいる人物、それは――
髑髏(ドクロ)の仮面を着け、闇に紛れそうな漆黒のフードを身に纏い、身の丈以上の大きさを持つ巨大な鎌を持った――“死神”だった。
「何度目だ?」
「は……ぁ?」
質問の意図が解らず、疑問の声を漏らす。
だが、その反応が気にくわなかったのか死神の首を掴む力が更に強まった。
「人から金を強奪したのは何度目だ?」
そんなことを訊いてくる理由が分からない少年は眉を潜めるが、下手に反抗して絞め殺されることを危惧し、大人しく返答する。
「た、確か……3回……多分、今日で3度目だ!」
「……そう、3度目だ。自分が犯した罪の数を覚えていた事に関しては褒めてやろう。だが……」
壁に刺さっていた大鎌が引き抜かれ、少年に鋭い切っ先が向けられる。
「お前はやりすぎた。犯した罪に対する罰を受けてもらう」
抑揚なく紡がれた言葉を聞いた刹那、少年の穴という穴から一斉に汗が噴き出した。
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