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*相変わらずな僕ら・2*
ドアをノックすると、中から「入れ」と、声が掛けられた。
「特務捜査課、相川和幸です。入ります」
所属部署と名を名乗り、ドアを開けて中に入る。
「ご苦労様」
この部屋の主、神崎耀司署長が仕事の手を止めて労いの言葉を掛けてくれた。
異例の早さで署長の座につき、誰からも一目置かれる神崎署長は、人の上に立つカリスマ性、響先輩にも負けない体躯、様々な事態に瞬時に対応出来る頭脳を持ち合わせたスーパー署長だ。
獰猛な肉食動物を連想させる、どこか危険で、触れば火傷しそうな男の魅力満載な神崎署長にメロメロな女性署員も少なくない。
「遅くなって、すみません。前回の報告書です」
高級木材で作られた机の上に書類を乗せて提出すると、神崎署長はそれを手に取り、軽く目を通す。
その様子を、やや緊張気味に見守る俺。
ギリギリ定時で終えた報告書だ。
早く終わらせて、待ってくれている優弥の元に駆けつけたい!
「確かに受け取った」
パラパラと報告書に目を通し終えた署長から、合格のサインを貰う。
「ありがとうございます!」
嬉しさのあまり、思わず礼を口にしてしまった。
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