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いや、だって、早く帰りたいんです!
だって、優弥と映画館デートなんですもん!
久々デートなんですもん!
「お前も大変だな」
神崎署長は、特務捜査課での……主に西田課長からの扱いを知ってか、同情の眼差しで俺を見た。
「察して下さり、嬉しい限りです」
肩を落としながら返した俺に、神崎署長は苦笑した。
「今日は定時で上がれよ」
「はい! そうします!」
何があっても、そうします‼︎
相川和幸、誰に遭遇しても切り抜けます!
そう意気込んでいるとノック音の後に、「失礼します」、の声が聞こえてきた。
入室して姿をみせた声の主は、関悠生副署長だ。
優雅で柔らかい物腰、優しくおっとりした綺麗な見た目と中身で、署内の癒し的存在。
神崎署長と同じく、異例の早さでの昇進組の一人で、署長とは同期。
その頭脳は、神崎署長よりも上をいくとの噂もある。
「あぁ、先客は相川君だったんですか。お疲れ様です」
優しく微笑む関副署長に、癒しを感じつつ会釈する。
「お疲れ様です」
ニコニコと微笑む関副署長。
こんなにも穏やかで優しくこの人が、実は怒らせるととてつもなく怖いという事を、俺はよく知っている。
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