相変わらずな僕ら

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思い当たる節がない俺は、恐る恐る西田課長を見返す。 「この前の件の報告書が見当たらないが? あれは相川が指揮をしていた筈だよなぁ?」 「えっ…と?指揮を担当したのは、確かにそうですが…」 報告書を作成する前の段階である、経緯などを説明した詳細書は提出済みだ。 「詳細書は…出しました…よね?」 え? 俺、出し忘れてる? ていうか、報告書は西田課長の担当だった筈では? 沢山のクエスチョンを頭の上に浮かべながら返す俺に、西田課長は盛大な溜息をついた。 「報告書だよ、報告書! 俺が言ってるのは、ほ・う・こ・く・しょ! いつまで待たせる気かと聞いてるんだよ、このタコがぁ!」 いきなり烈火の如く怒声を浴びせられ、怯える猫の如く肩を竦める。 ついでに唾まで飛ばされた。 「え…?でも、報告書は西田課長の、お仕事では…」 「『でも』も、『へったくれ』もあるか! 俺はなぁ、忙しいんだよ! それをフォローしての部下だろうがぁ!」 えーーー? 何、その理不尽ー。 などとは言えず、顔に飛んできた飛沫をハンカチでそっと拭う。 「いやぁー、頼まれなかったので…」 精一杯の抵抗を試みた俺に、西田課長は眼鏡をカタカタと揺らしながら怒鳴った。 「言われる前にやるのが社会人だ! このタコ助がぁ!」 ひぃ〜〜〜‼︎ 耳を塞ぎたい衝動を押し留めながら、必死に足を踏ん張る。
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