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「さっさと取り掛かって、今日中に提出してこい!」
え〜〜〜、そんなぁ〜〜〜。
と、思いつつも、ヘタレな俺は言い返す事など出来るはずもなく…。
「……はい」
シュンと項垂れながら返事をしてしまった。
自分の仕事を押し付けるとか、酷くないですか?
俺だって、暇じゃないんですよ。
そんな恨み節にも似た思いで、ジッと西田課長の頭部を見つめる。
そう。
トップシークレットとされる、西田課長のカツラ疑惑の頭部を。
いつか暴いてやる、なんて恨みを込めて見つめていると、西田課長が焦ったように見返してきた。
「なっ、なんだ?なんだらその目は?何かついているか?」
「……………いえ、何も」
ジトッと恨みの眼差しで頭部を暫く見つめていたが、スゴスゴと自分のデスクへと足を向ける。
「しっ、仕事しろ、仕事!」
分かってますよ。
それこそ、回し車の中のネズミのように、毎日働いてますよ。
頑張っても報われないのは、俺の努力がまだ足りないせいでしょうか?神様。
俺は、どこまで頑張ればいいんでしょうか。
憂鬱な気持ちで自身のデスクに辿り着くと、隣の席の優弥が指でトントンと机を叩いてきた。
「おはよう」
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