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長年刷り込まれた己の不幸さの概念は、そう簡単に消えて無くなるものじゃない。
………嫌な概念だ。
「うん、そうしよう」
幸せ気分で答えて、サッと視線を優弥からデスクの上へと移す。
絶対、響先輩がニヤニヤしながらこっちを見ているに違いない。
優弥と付き合っている事はまだ言っていないが、あの人の事だから、いつもの野生のカンで気付いているに違いない……。
なんてタチが悪い。
赤くなった顔を冷ますように、パタパタと手で仰いだ。
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