第1章

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***** 引っ越しの前日・・・竹村さんから、サチに連絡が入った。 「さっちゃん、いよいよ明日は引っ越しだね。もう、準備は済んだのかな?」 「はい。梱包も済みましたし、後は積むだけです。」 「そうか・・・それは、よかった。 ところで、ベッドなんだけど・・・まさか、そのままツカサくんのベッドを新居に持って行くつもりじゃないだろうね?」 「ベッド・・・ですか? もちろん、引っ越し屋さんに持って行ってもらうつもりですけど。」 「・・・置いて行きなさい。」 「・・・は? 置いて行く、って・・・おっしゃっている意味がよく分からないんですけど?」 「とにかく、ベッドは置いて行きなさい。・・・わかったね?」 「・・・はぁ。」 電話を切った後、サチは盛大にため息を吐きながら言った。 「竹村さん・・・どうやら、私たちに『寝るな』って言ってるみたいです。」 「・・・は?」 オレには、何の話なのか全く見当がつかなかったのだけれど・・・ その答えは、翌日になってようやく判明した。
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