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「小野田…お前の欲しいものがゴールにはある」
「はい!金城さん、ぼっ!僕、頑張ります!!」
インターハイ直前に、小野田にかけた言葉だった。小野田は良くやってくれた、小野田のお陰で3年最後のインターハイで我が総北は優勝を勝ち取る事ができた。
あいつには感謝しても、仕切れない。
「小野田、有難う」
「えっ! いえ、僕なんか優勝できたのは皆さんのお陰で、僕は逆に皆の足を引っ張ってしまって…えっと…その、僕の方が感謝しきれないって言うか…」
クスッ
相変わらずな小野田に、金城は微笑みながら、聞いてみる。
「小野田、ゴールにお前の欲しいものがあっただろう?」
ハッとした小野田は、そうだ!という顔をして、
「金城さん!それがゴールに、ラブ☆ヒメ初期数量限定特別フィギュアが無かったんです!!」
「………ん?は?」
「ゴールして、立てるようになってから、すぐ探したんです!人にも聞いて回ったんですが、無かったんです」
泣きそうな顔で、いや、もう目には涙を浮かべて訴えてくる。この意外性の固まり。
俺とした事が、読みが甘かったなと思う金城だった。
だが、皆がこぞって欲するゴール。
優勝への、勝利への執念。それを、この一年はオタク魂で勝ち取
ったと言うのか!?
恐るべき、オタク魂!!
ー後日ー
必死に、小野田の言っていた、ラブ☆ヒメ初期数量限定特別フィギュアをネットで検索しまくる金城がいた。
「どこにも無い!売られて無いぞ小野田!(泣)だが、俺は決して諦めない男だ!」
そして、あの日から2週間後、部室にて例の物を金城からプレゼントされ、大喜びの小野田がいた。
金城は喜ぶ小野田をよそに、手嶋に視線を向ける。勘の良い手嶋は、何が言いたいのか察して、嫌そ~な視線を金城に返すのだった。
チャンチャン🎵
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