No salvation ②

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おとなしく檻の内側に入ったゼロは、真ん中にどっかりと腰を下ろしてから、俯いた。 いきなりこんな所に閉じ込められる羽目になって、ショックを受けているのだろうか。 心配した矢先に、ぱっと顔が上がり、薄茶に黄緑をにじませたような、不思議な色の虹彩が姿を現した。 「ったく、ご主人様の命令とはいえ、慣れないカラコンは疲れるな」 どうやらこの瞳が、彼の本来の色らしい。 発せられた言葉から察するに、碧は自分と同じそれを嫌ったのだろう。
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