No salvation ②

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それも道理だ。 カラーコンタクトを外しただけで、ゼロの面差しが、ずいぶんとオリジナルに近くなった。 自分とよく似た人間が身近に存在するのは、確かに気分の良いものではない。 ましてや年齢も近く、立場は主人と使用人。 分別化を図りたいと思うのは、共感できないながらも、納得だ。 推測しながらじっと見つめる私に向き直り、ゼロがおどけたように肩をそびやかしてみせる。
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