No salvation ②

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「……不思議だよな。 兄弟ほど歳が近いのに、あんたと俺は生物学的にいうと、親子に当たるんだもんな」 皮肉な言葉や声音の端々ににじむ、同族意識による親愛の情。 一線引かれているように感じていたのは、碧の監視があった手前なのだろう。 心を開いてくれていると分かれば、応えたくなるのが人情だ。 この屋敷で問題なく暮らすために、いくつかアドバイスをしてやりたいけれど、タブレットに文字を打ち込むのは、ためらわれる。
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