No salvation ②

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あんなにも淫らな声を、たった独りで上げているとは、考えがたい。 (まさか……) 浮かべた暗い想像に、ざわざわと胸騒ぎが重なる。 それでも確かめずにいられなかったのは、同志への愛着からくる杞憂のせいだろうか。 草木で身を隠しつつ、すり足で声の方へ向かい、私は果たしてその正体を知る事となった。
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