No salvation ②

29/33
前へ
/33ページ
次へ
残酷な略奪者が温室から去るのを見届けてから、私は静かに立ち上がった。 乱れた服もそのままにうなだれているゼロに近付けば、虚ろな瞳がこちらを向く。 「……見られたか。 なら説明するまでもないだろ。 そういう事だ」 乾いた笑いをこぼすのは、明らかな強がり。 憎んでいる相手に弄ばれ、意思に反して体が応えてしまうのは、耐えがたい屈辱。 犯されるなんて、もってのほか。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

679人が本棚に入れています
本棚に追加