No salvation ②

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しかし遺伝子は優秀だ。 海外の大学に通い、飛び級で薬理学修士号を取得してきたそうだから。 生物学上での、私とアンの息子。 私たちと同じクローンという存在。 初対面のゼロに親近感や愛着が湧いても、何ら不思議はない。 アルテミスの病院を去る際、アンと同じく声帯を奪われた私は、お辞儀で歓迎の意思を表した。 けれどもゼロは、それを鼻先でせせら笑う。
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