No salvation ②

7/33
前へ
/33ページ
次へ
碧は殴りつけた手を軽く振ってから、いつも通りの穏やかな声音で、残酷な警告を放つ。 「いいか、ゼロ。 お前の脳が活動させてもらえてるだけ、幸せだと思え。 脳死状態のまま保管しておいても、実験に差し支えはないんだからね」 クローンが人として生活を送れているのは、あくまで氷室家の厚意。 碧の言葉の裏には、「脳死状態にされたくなければ従順であれ」というメッセージが込められている。 さらにメッセージはそっくりそのまま、私とアンへの脅しでもある。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

679人が本棚に入れています
本棚に追加