No salvation ②

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改めて凶器をちらつかされなくとも、私たちに逆らう気力などない。 お互いがそばにあるだけで幸せだと、嫌というほど思い知らされたのだから。 牙の抜けた私たちとは違って、ゼロはまだ反抗心を折られていない。 血の混じった唾を吐き捨ててから、碧を睨みつけ────それでも、ゆっくりと頭を下げた。 「そう、それでいい。 お前も余計な口をきかないよう、近いうちに処置しよう。 それまでは地下の檻に入れておけ、ウノ」
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