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『……で、それがオレだと』
「何よ、文句でもあるの? 父さんが頑張ってゲットして来てくれたんだから」
『いやお前は勘違いしている。お前の父親はそんな頑張ってオレをゲットしてねぇ。つーか全然頑張ってねぇ』
彼女は勿論知らないが、アレはぶっちゃけマスターボールを投げるだけの簡単なお仕事だった。完璧に油断していた自分が悪いのだが、立場を考えると我ながら情けないったらない。
「へー、だからあんなに早く帰ってこれたのね。さすが父さん!」
『感心する所が違うだろ……』
わかってはいたが、オレの心情を察する事が出来ない主人だ。色々と突っ込むべき所が多いはずなのにどうしてそうなるんだ。
そして、
『……で、この状況はどうするんだよマスター。本当は思い出話してる余裕なんて無ぇだろ』
「…………どうしようか」
『オイ』
端から見ればトレーナーが一人で漫才しているように感じるだろう。現に周りの黒い人影達は怪しい人間を見るような目でこちらを見ている。むしろお前らの方が怪しいだろう、と思ったがどうせオレの言葉は相手には届かないだろうし黙っておく。
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