二投目:彼女の耳にオレの言葉

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「余裕だったねぇ。やっぱ私の腕が良いからかな」 『戦ったのはオレだがな』 相変わらず覚えてもいない技、覚えられない技を出させようとしていた。これがしょっちゅうだからオレは主人の言いたい事を汲んで自己判断で技を出す事にしている。端から見たらオレがトレーナーの指示をガン無視しまくって暴れたように感じるだろう。ポケモンであるオレと会話が出来るのは主人の力があってこそで他の人間にオレの言葉は聞こえないから。 それにしても、主人はトレーナーとして確かに腕は立つはずなんだが根本的な部分で色々とダメだからもったいないとは思う。一応身内として恥ずかしいからジムリーダーとは1対1でいられて心底良かった。ジムトレーナーというと、アイツらの目を盗んでスルーとショートカットしまくったから問題無しだ。良心のあるトレーナーはやるなよ? 「ねーねー、れーちゃーん」 『何だよ今度は』 「今回楽勝だったしこれから各地のジムにも挑戦してみようと思うんだけど」 『はぁ?』 「さっきはアーティさんに勝ったからー、イッシュ地方を時計回りにぐるっと一周するの……あ、シッポウとサンヨウのジムは無くなって移動したんだっけ。ヒオウギ方面にも行かなきゃね」 『ま、待てちょっと落ち着けお前は何を言ってるんだ』 「え、ダメなの?」 『……ダメとは言ってねぇが』
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