続き

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   だから、望月さんに聞こうと思った。  二人が二人とも、そんなに上手に隠せるとは思わないから、やっぱり朱理さんは、まだ気持ちを心の奥に秘めている。  そのように判断すると、望月さんに挨拶し店頭から駅へと向かった。  開店の三十分前。  お店に入ると、マスターは豆を挽いていて、店内にはコーヒーの強い香りが漂っている。  そんな中で挨拶しながらお店の奥に行き、着替えを済ますと会話もしないで私は掃除に入った。  別に、喧嘩とかした訳じゃない。もう働いて何ヶ月かしてるし、これが開店前の流れみたいなもの。  だって、三十分しかないし。  店内を掃き掃除し、モップをかけて店頭の掃除をする。それをしながら、私は朱理さんの事を考えていた。  初めて私があの人をここに連れてきてから、何回かお店に来てくれている。今、朱理さんと会うのはここのお店でだけ。  ランチタイムは忙しい。
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