続き

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   だから朱理さんは、望月さんとの事を話さないのかとも思った。  でも、まったく話す時間が無い訳じゃ無い。手が空けば接客という名目で、お客さんと話していいとはマスターからも言われてる。  だから、朱理さんとも何度も話してる。 「望月さんとは、どうですか?」  そんな風に、直接的な聞き方をした事もあったけど。「別に、ただの上司と部下の関係だよ」とあっさり言われさまった。  その直後、マスターから強く詮索しないよう言われたし。 「若葉さん。そろそろ、開店しましょうか」 「はいっ、マスター」  私は掃除用具を片付けて、店頭に出直すと、扉にかけてあるプレートを【Open】に架け替えた。  マスターと私の個人的関係には、まったくの変化は無い。  だけど仕事上においては、失敗すれば注意される。それに、お客さんへの失礼に対して、厳しく言われてしまう事もあったりする。
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