偽展・桃太郎

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その言葉を聞いた瞬間、俺は外に飛び出していた。 「待て!! 猿田彦!! 何処へいく!!」 誰かが俺に向かって叫んだが、俺はそれを無視してある場所に向かう。 碑石―― 時を司る碑石―― 碑石には、ある力が秘められていると言われている。 人の思いに呼応して、未来と過去に繋がることができると言われている力―― あれを使って―― 時空を遡れば―― 可能性は限りなくゼロに近い。 でも、ゼロではない。 時空を遡り、彼女を思いとどませることができれば―― 森の奥にある、碑石を目指し、俺は走り続ける。 そうして―― 森の奥―― 澄んだ泉の涌き出る真ん中にそれはあった。 時を司る――碑石――。
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