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カツンカツン――
王宮に響く俺の足音。
玉座に向かい、真っ直ぐと前を見据えて歩く。
玉座に座る――釈迦を睨み付けるように見つめ、俺は跪く。
「命に従いて……斉天大聖。参上つかまつりました!!」
王宮に響き渡る俺の声に釈迦が満足そうに頷く。
「ご苦労様です。悟空……否。今は大聖、斉天大聖と名を改めたのでしたね」
優しげな……けれども有無を言わせない釈迦の言葉を遮るようにして、俺は答えを返す。
「して、釈迦よ。俺の妹……金蝉師はどこに?」
世界を救うために……世界の贄となるために生まれてきた、俺の妹。
その妹を護るために生まれてきた兄の俺――
「ここに」と釈迦が微笑み――一人の少女が俺の前に立った。
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