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「今の私はお前たちと同じ罪人なのだよ……」と自嘲ぎみに菩薩は笑う。
「“ルシファー”」
笑いながら、菩薩は続ける。
「そんな風に呼ばれている」
菩薩――否、ルシファーが俺を見据えた。
「二度はない……。そうは言ったが……お前たちに賭けてみるのも悪くはないかもしれない……」
「……? なんの話だ?」
「強さを求め――」とルシファーが碑石に手を翳す。
「未来を――愛する女の未来を求めるならば」
「今、ここで」
ルシファーが俺に手を伸ばし――
「私の手を取るがよい。大聖よ」
伸ばされた手に――
俺の手を伸ばす――
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