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「俺も歳を取ったってことかな」
ひとりそう呟きながら笑った。
縁側で寝転がりながら見つめた下弦の月の美しさに目を細めた時、居間に置きっぱなしだった俺の携帯が鳴り始める。
「は?こんな時間に誰だよ…」
しぶしぶ起き上がり、居間に戻るとテーブルの上で振動を繰り返す液晶に浮かんでいたのは登録していない電話番号。
「…誰だこれ?」
思わず感じたままを口に出しながらその着信を取った。
「…はい、楠田です」
しかし電話の向こうからは、ただ……泣き声だけが聞こえて来る。
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