3819人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
すっかり酔いが回った私と映見を、楠田部長がベッドまで運んでくれたことには気づいていた。
そして部屋まで片付けてくれていたことも。
けれど私はどうしても目を開けることが出来なかった。
ずっと一人で生きて来た私にとって、こうして人の優しさに触れてしまうことはとても怖いことだ。
心のどこかで映見と楠田部長にだけは甘えたいと思いながらも、まだそれにどっぷりと浸かってしまうことが出来ない。
完全に熟睡してしまった映見の幸せそうな寝顔を見つめながらまたひとつため息をつく。
どうしてあのオネエはあんなにも人に優しく出来るのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!