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それから私と楠田部長、そして映見はたびたび一緒に飲みに出かけるようになった。
ほとんどは私の家か、会社近くの部長のお気に入りのショットバー。
けれど3人で過ごす時間はやっぱり心地よくて、私の中でこの二人だけは本当に家族だなと思えるように変化して行く。
そんなある日の事だった。
楠田部長と飲んだ帰り道、タクシーの中で映見が呟く。
「そう言えばさ、今日部長がちょっと言ってたけど営業部の新人が、まだ入社して間もないのに大手菓子会社との継続契約取って来たって話、あれって黒田さんって人の事でしょう?」
「…ああ、なんかそうらしいね」
映見の口から友哉の名前が出て来たことに一瞬戸惑う。
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