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何か嫌な予感に蝕まれながら窓の外に流れる街並みを見つめていると再び映見が呟いた。
「だけど営業部の黒田さんってさ……結構カッコいいよね」
「は?!」
思わず声を荒らげてしまった私に映見は不思議そうに視線を向ける。
「あ、葉月は好みじゃなかった?」
「……まぁ……そうかな」
何を動揺してるんだ私は。
猛反省している私には気づかぬまま映見は言葉を続けた。
「だけど黒田さんの営業センスを見越してお願いしたいことあったりするんだよねぇ……一緒に飲みに行けるような機会とかないかなぁ」
「…………」
ダメだ。もはや抑えきれないほどの慟哭が私の胸を突き上げて行く。
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