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「ぶちょぉはどこの生まれなんれすか？」
泥酔しながらも俺の身上調査を始めた葉月に苦笑いしつつ正直に答えてやる。
「アタシは北海道よ」
「おぉ、ほっかいろー！カニら！エビら！」
「…まぁ北海道全部が海沿いなワケじゃないから」
俺の故郷は北海道でも美瑛という内陸部で、山と変電所と牧場くらいしかない。
けれど葉月に聞かれて思い出す。
そう言えばもう何年帰郷していないだろう。
代々続いて来た老舗の呉服屋を営んでいる両親と姉夫婦は今でも美瑛で店を守り続けている。
けれど…長男でありながら家業を継がなかった俺をきっと両親も姉夫婦も恨んでいることだろう。
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