Act.4 Side Ayumu

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大学を卒業した時に、美瑛に帰ることも一瞬考えた。 けれど、あの時の俺は冴子を一人に出来なかったから…東京に残る道を選んだ。 美瑛には戻らないと告げた時の両親の悲しそうな顔は今でも心に色濃く焼き付いていて、いつしか里帰りも出来なくなった。 いつか美瑛に帰る時があるのなら……。 それはたぶん俺が死んだ時かもしれないな、なんて思いながらおちょこの酒を飲み干した。 そんな俺の様子を、相変わらずニコニコと満面の笑みで見つめていた葉月が瞼を伏せて幸せそうな表情で呟く。
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