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だけど荷扱い中の誠也の背後を積み込みに入っていたドライバーが横切り、接触事故を起してしまった。
それを機に、誠也はフォークリフトを降ろされ事務職へと配属変えされてしまったのだ。
「ごめん。入庫管理の仕事を覚えるのが精一杯で、遥香のことまで考える余裕ない」
そう言って、私との関係に距離を置きたいと言い出した彼の気持ちは痛いほど分かっていたし、心のどこかで彼にまた余裕が出来たら……なんて期待している自分もいた。
───だけど。
恋人の関係を辞めても、彼はこうして理由をつけては二人で過ごす時間を作り、私を抱く。
こんな関係をいつまで続けるのだろうと心のどこかで思っているはずなのに。
お互いがお互いの優しさにつけこみ合うことが辞められないのだ。
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