16929人が本棚に入れています
本棚に追加
とは言っても、倉庫の中のフォークマン皆さんや在庫管理部長たちはまだ仕事は終わらない。
倉庫内には賑やかにフォークリフトが行きかう音が響いている。
「向坂(さきさか)部長、お先に失礼します!
事務所の鍵は締めておきましたので確認だけお願いします」
「あ、阿部さんお疲れ様!
雨が強いから気を付けて帰りなよー」
「ありがとうございます!」
在庫管理部の向坂部長と挨拶を交わした私はターミナル沿いを歩いて駐車場の方へと向かった。
3時半頃から降り始めた雨は、雨足が弱くなるどころか更に激しさを増し、空にはピカピカと稲妻がほとばしる。
こんなに激しい雨になるなんて想像もしていなかっただけに、傘も車の中に入れっぱなしだ。
「よし、一気にダッシュだ」
自分にそう言い聞かせ、私は覚悟を決めてターミナルの最端から一気に駆け出した。
最初のコメントを投稿しよう!