Act.1

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けれどやっと車に乗り込んだ時には、もう髪もスーツも大粒の雨のおかげでずぶ濡れ。 慌てて取り出したハンカチで髪とスーツを拭いて、エンジンをかける。 走ったことで私の身体から出る熱気と雨の湿気で一気にウインドウガラスが曇った。 オートエアコンのスイッチを入れて、視界がクリアになって行くのを見届けてからライトをつけると、ほんの5メートル先でさえも見ずらいほどに雨足は強くなっている。 「どんだけ降るのよ」 不満を漏らしつつ、私は車を発進させる。 やっぱり今日の夕食は素麺じゃなくて、温かいものをリクエストしておけば良かったと後悔しながら工業団地の中を走り抜けた。
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