その男名高敦郎

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神秘的な物を大好きな女子大生にモテモテだった やっかみもあってか、彼女をとっかえひっかえするとか降霊術と称して女の子の体を触りまくってるとか、誰が言い出しっぺがわからない噂が飛びかい 男子学生からは鼻つまみもんだった。 しかし大学の卒業を待たず名高は去って行った 社会人になってから彼は名高の事を知る事があった 何でも全国チェーンのキャバクラ店の影の参謀としてスカウトや引き抜きに実力を発揮していたらしく、風ドルやAV嬢相手の霊感占いをネットやアダルト雑誌でやっていて、それなりに有名だったが、そのオーナーが謎めいた自殺をしたあとキャバクラは次々閉店、名高も失踪したと言われていた 彼の人生観からはこんないかさまめいた人生の奴は、とても認められず一生関わる事はないと思っていた 井の頭通りをNHKの方に走りNHKセンター下の信号を左折する 渋谷クレストンホテルの横を通り抜け神山町東をぬけたすぐそばに名高の住所とするビルは立っていた 彼は築二十年ぐらいのテナントビルの前でタクシーを止めて降りた そのビルは高さ十五階ぐらいの中層ビルで事務所がびっしり入っていた エレベーターに乗ると一番屋上に名高心霊研究所と言う表示が出ていた。
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